鼓動を待ちながら

26年間、海外ドラマばかり見てきた筆者の世迷い言

映画「HANNA」(ネタバレあり)

アクションものだけど・・・


『ハンナ』予告編

 

元スパイで、超人的能力のアクションものという同カテゴリいえば、すぐに思いつくのはマット・デイモン主演のボーンシリーズ。

 


The Bourne Identity (3/10) Movie CLIP - My Name Is Jason Bourne (2002) HD

  • 本人自身が自分の出自をちゃんと知らず(ボーンの場合は記憶喪失でしたが)
  • 科学的に強化された心身を持ち
  • 元所属していた組織が、組織ぐるみで追っかけて(殺しに?)きてて
  • 常に命を狙われ
  • 「組織内にある自分の謎を解き明かす」「組織から逃げる」が共存した通底課題になっている

などが、すべて共通です。

 

ストーリーで違うことといえば

  • 主役の性別

ぐらいでしょうか。

 

ジェイソンシリーズよりも、ハンナのほうがずっと新しい映画ですので、ハンナがボーンシリーズをオマージュした可能性が高いと思います。

 

妙に雰囲気のある作品

 とはいえ、画面構成上は大きな違いがあります。

 色彩、舞台設定などが、妙に演劇的で、意図を持った画面構成が多いのです。

 グリムの家では、極彩色のお菓子の家が出てきますし、その家がある場所は、廃遊園地。殺風景な基地から逃げ出すシーンは、白と黒の陰影で形作られ、逃げ出せた場所はなにもない砂漠です。

ロードムービーになってます

舞台の変遷は

  • 北極圏近い白銀の森の中の小屋
  • おそらくモロッコ近くの地下米軍基地
  • ロッコ近くの砂漠
  • 地中海を渡って南スペイン
  • ベルリン

と移動します。

風景は

  • 寒々しい大自然
  • 殺風景な基地
  • 灼熱の砂漠
  • 南スペインのキャンプ
  • 都市としては殺風景な旧共産圏の雰囲気を強く残す東欧
  • その東欧にある廃遊園地

と移り変わります。

 この移動は文明の利器などなにもない森から出てきたハンナの激動を表現しつつ、クライマックスへとつながっていきます。 

美人のケイト・ブランシェットは美人をやりたがらない?

 敵のボスは、ケイト・ブランシェットがやっています。ガチ美人なのですが、どうもそういう役は多くない印象ですね。また、若い頃から中年女性の役が多い気がします。

 記憶に残っているのは「エリザベス」ですかね。まだイギリスが貧乏だった頃のエリザベス一世を描いた映画です。

 


Elizabeth: The Golden Age (Extended UK Trailer)

 

 

他では、映画「あるスキャンダルの覚え書き」が記憶に残っています。

https://www.youtube.com/watch?v=00Nde6ImSeY

 

主役のシアーシャ・ローナン

 劇中ではおそらくノーメイクを貫いていますが、普通の写真だとこんな感じ

 

https://eiga.k-img.com/images/person/83108/300x.jpg?1453369848


美しいですねー 

主要登場人物では、父親役のエリック・バナです

 

https://img.cinematoday.jp/a/N0100009/_size_640x/_v_1523521399/main.jpg

 

ある意味、サイケデリックな主人公と画面構成ですが

 ボーンシリーズみたいなことが起こるにはやはり少し特殊で病的な状態が必要なはず。この少女も普通の育てられ方はしていない上、劇中の種明かしでも恐怖と共感を少なくする遺伝子操作を受けているようです。

 激動する環境の変化には強いのですが、同じセリフを何度も繰り返し、目的のためならばまっすぐ悪気なく暴力的であったりするのは、ある意味、アスペルガー症候群のようにも見えます。

2019年にはAmazonビデオでシリーズドラマにもなっています

 特殊な映画なので、多くの人の興味を惹かなかったのかと思ってましたが、そうでもなかったようです。

 僕は、ちょっと映画趣味が特殊ですからね。